投資信託が繰上償還に!基準価格はどうなった?償還日まで待ってみた。

購入していた投資信託の商品が「繰上償還」されることになりました。まさか、自分が購入したものが繰上償還になるとは…

運用がマイナスの場合、償還日まで商品を保有しておくか、償還日を待たずに解約するか迷いますよね。

そこで、お勉強を兼ねて、試しに償還日まで商品を保有してみました。

償還日まで保有した場合、価格(損・得)はどうなるのか実践レポートです。突然の繰上償還の連絡に戸惑っている方の参考になれば幸いです。

注意
当たり前ですが、これはあくまでも今回のファンドにおける結果です。こんなパターンもあるんだな、と参考程度にお願いいたします。

はじめに、償還について。

「償還」とは、投信信託の場合「運用の終了」を意味しています。よって「償還日」とは、運用を終了する日。

投資信託には、この償還日(運用期間)が設定されているものと、償還日が設定されていない(運用が無期限)のものがあります。

繰上償還とは?

繰上償還には2通りあります。

  • 償還日(設定された運用期間)を待たずに、運用が終了する場合。
  • 償還日設定されていない(運用が無期限)のものが、運用を終了する場合。

私が保有していて繰上償還になった商品は二つ目。運用が無期限だったものです。

繰上償還のお知らせが来た

2018年、日本の株価がぐんぐん下がり、保有していた投資信託はすべて大きくマイナスに。損失が膨らんでいた時に、一つのファンドから郵送で繰上償還のお知らせが来ました。

この時点で運用はマイナス。出来れば少しでもプラスになってから解約したい。

こもり
でも、償還日まで待っていたら、解約する人が増えてさらにマイナスになるのではないか?そんな不安がありました。

株の場合、売り注文がドンドン増えると株価が下がり、売り時を失うと大損しますよね?

投資信託も同じではないか?そう考えた訳です。素人ですから。

償還日まで待つと、一般的に、基準価格はどうなる?

償還が決まる、もしくは償還日が設定されている場合、ファンドの資産は、償還日に備えて現金や債券などの価格変動の少ないものにシフトされていくそうです。

そうすると、運用に回す資金が少なくなるので、基準価格の変動が小さくなるんですって。ファンド側も、損失が増えないように対処してくれるんですね。(ファンドのためか、投資家のためかはわかりませんが…)

MEMO
実際に、私が保有していたファンドも、基準価格の変動が小さくなっていきました。債券のみを運用するファンドの基準価格と同じような変動でしたね。

投資家の解約は、基準価格に大きく影響しない。

投資信託の仕組み上、多くの投資家が保有している信託商品を解約したからといって、急に基準価格が大きく下がることはないようです(もちろん、大きく上がることもない)。

こもり
その辺は株の売買と違うみたいですね。

投資家の解約で大きく影響を受けるのは、ファンドの純資産額なんだそう。

純資産額が減ると、ファンドの運用資金が減り利益が上げにくい。さらに運用がうまくいかない場合、基準価格が下がる。ザックリとらえると、そんな感じだそうです。

償還日まで待つ?解約する?

繰上償還されるということは、ファンドが「これ以上運用しても利益が見込めない」と判断したから。これがとても重要みたい。保持していれば…なんていう期待はするなということですね。

損益がプラスの場合

利益があるうちに迷わず解約が一番!ですよね?私はそう思います。利益を上げる見込みがないから繰上償還なわけです。期待しない方がいいとおもいませんか?

損益がマイナスの場合は?

こちらも、プラスになる事はほぼないと考えて、スパッと解約が潔いですよね。それが出来たら困らないのですが…ウジウジ。

少しでも損失を減らしたければ、少しの望みをかけて(期待しないで)、償還日まで待つのもアリ。でも逆に、損失が増える可能性も…。

こればかりは、自分でビシッと判断しないとどうしようもないですね。

償還日まで待つ方がいい場合がある。

投資した商品(ファンド)に「信託財産留保額」が設定されている場合、償還日まで待つと、この費用は取られません

MEMO
信託財産留保額は、投資信託を途中で解約する(売る)場合にかかる費用。だいたい、0.1%~1.0%に設定されているそうです。

信託財産留保額を差し引いた、換金額の計算。

例えば、信託財産留保額が0.3%に設定された商品を以下のように保有している場合。

  • 基準価格(1万口あたり):12000円
  • 保有口数:15万口(180,000円分)
  • 信託財産留保額(1万口あたり):0.3%
換金額は?

わかりやすいように、順を追って計算してみます。

  1. 12,000円(基準価格)×0.3%=36円(信託財産留保額・1万口あたり)
  2. 12000円(基準価格)-36円(信託財産留保額)=11,964円(解約時の評価額・1万口あたり)
  3. 1,964円(評価額)×15万口(保有口数)=179,460円(解約時の換金額)

つまり…

  • 償還日までの基準価格の変動が-36円以内におさまると考えるなら、償還日まで待つ方が得。
  • 逆に、基準価格が-36円を下回ると予想するなら、信託財産留保額を払って解約する方が得。

簡単に解釈すると、こうなりますね。

私が保有していた商品(ファンド)。

記事に現実味を持たせるため、恥を忍んで投資したファンドを紹介します。

保有していた商品は、2017年2月に運用が開始された「SMT日米インデックスバランスオープン」。

投資初心者なのに、運用開始から1年にも満たない赤ちゃんファンドに投資。償還日は2018年5月。あっという間に繰り上げ償還になりました。

こもり
「純資産の少ないファンドはやめておけ(特に初心者)」そんな情報も得ていましたが、自分が選んだものに限って…なんて思っていました。あ~失敗。でもいい経験か。

保有商品の、償還日までの基準価格の推移。

信託財産留保額が設定されていなかったので解約も考えましたが、試しに償還日まで保有してみました。

少しでもプラスにならないか、とイケナイ期待をしつつ…(投資に向いてない性格だな)

基準価格の推移

証券会社のチャートのキャプチャ画像を使用したかったのですが、どうも著作権に引っかかりそうなので自分で作成。嘘の情報ではないのでご安心ください。

基準価格の変動

繰上償還のお知らせが発表されたのが3月20日。そこから基準価格がぐっと下がっています。この部分は、他のファンドも同じような値動きをしていたので、繰上償還の影響はない(または少し)と考えます。

その後もさらに下がり続けるのかとドキドキしていましたが、結果的に、繰上償還発表時の基準価格よりも高くなりました。

また、繰上償還が正式に決まった後は、5月10日の償還日まで基準価格は変動しませんでした。

MEMO
グラフにはありませんが、純資産額が、4月8日までの間に0.04億円減少していました。これは、繰上償還のお知らせが影響していそうです。0.04億減少したあとは、償還日まで変化はありませんでした(チャートで確認できる範囲では)。

繰上償還、基準価格は?まとめ。

  • 繰上償還はファンドが利益を今後あげられないと判断したということ。
  • 解約者が増えると純資産額は減るが、基準価格は大きく変動しない。
  • 少しでも運用されていれば、償還日まで基準価格の変動はある。
  • 償還日に近づくにつれて運用の規模が小さくなり、基準価格の変動も小さくなる。
  • 信託財産留保額が設定されてる場合は、その費用を考慮して、償還日まで待つかどうか決める。

今回私が投資していたファンドは、繰上償還のお知らせ直後よりも、償還日の方が基準価格が高かったです。結果的には「償還日まで待ってよかった」ということになりました。

こもり
マイナス運用だったので、少しでも損失を減らせたのは良かったです。

はじめは「繰上償還?!なんじゃそれ~!!」と焦りましたが、今回の基準価格の変動を見る限り、「繰上償還になったからといって慌てふためく必要はないな」と感じました。

注意
投資素人の記事です。参考程度にお願いいたします。また、間違いがあればご指摘いただけると幸いです。

2 COMMENTS

こもり

ご指摘ありがとうございます。勘違いしておりました。訂正いたしました。
重ねてお礼申し上げます。

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